下畠 潤平

操作のしやすさと、交換＆撤去のしやすさがカギ。
見えないところこそ丁寧に作業することで製作物の質は変わります。

　当社の若手職人のひとり下畠も、少しずつ初々しさが取れ、着実に一歩ずつ当社らしい一人前の職人へ向けて歩みを進めています。
　入社からどのような変化を経ていまに至るのか、下畠から聞きました。

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「入社前は、職人さんというのは気難しかったり、言葉少なに黙々と仕事をして、余計なことを喋ると怒られる……というようなイメージを持っていました。でも、実際に入社してみると、それとは全然違くて、常にその場にいるみんなが作業に対する意見を活発に出し合っていたり、休憩中もワイワイ。最初に持っていたイメージは、この会社の場合、すっかり違っているということに、すぐに気付きました」

　入社4年目を経たいま、下畠は仕事に対して自分なりに多くの魅力やこだわりを見出だし始めています。

「何もないところから自分たちで配管を通すルートを考え、それをつなぎ合わせて形にします。また、耐久年数を越えた配管や生産ラインが変わって使わなくなった配管など、不要になったものを撤去する仕事もあります。特に、既存の生産現場に配管を施すときは、天井裏や機器の裏側を通すことが多く、隠れている箇所が多くあります。しかし、そういう見えない場所こそ気を抜かず、しっかり設計すべきだと思っていて、それがあとあと見える部分の美しさにも繋がってくる気がします。この仕事でいちばん気を遣わなければいけないのが、いちばん最初の計測のとき。ここで採寸を間違ってしまうとすべてがやり直しです。また数ミリ違っていても組めることは組めるのですが、見た目のきれいさが全然変わってきてしまうんです」

　それに加えて、お客様が使われるときの作業のしやすさ。さらに、問題が発生したり、必要がなくなったときの交換や撤去のしやすさ。過去、現在、未来、そのすべてを見据えて、目に見えないところにこそ気を遣う精神は、仕事全体の質を上げてくれます。

「これまでの仕事で嬉しかったことはやっぱり、初めて現場を任せてもらえたときです。それまで先輩に付いて作業するばかりだったので、いざ自分でやってみると、全然うまくいかず、失敗ばかりでした。でも、それらを乗り越え、最終的にその現場を終えられたときは、これまでにない嬉しさと達成感を感じました」

　そして、失敗することで「何がダメだったのか？」「次はこうしてみよう」という意識が生まれるようになったといいます。失敗が成長の糧になった好例です。

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「当社の仕事は、ひとつ間違えれば大怪我をしたり、いろいろな人に迷惑をかけてしまいます。また、野外の現場も多く、夏は暑く、冬は寒いなかでの作業となります。そんな環境のなかでいつも通りの成果をあげなければなりません。人の話をしっかり聞ける力、そして忍耐強さが必要です。ただ、入社された方にはこの仕事を長く続けて欲しいので、仕事の楽しさややりがいも一緒に見つけていきたいと思っています」

　最初は覚えることも多く、わからないことばかりかもしれません。だからこそ、私たちもみなさんの話にしっかり耳を傾け、じっくり丁寧に手ほどきをする準備をしておきたいと思っています。

※撮影の為、ヘルメット等外しております。